「主要通貨」とは、国際的な市場で取引される取引量も取引参加者も多い通貨のことを言います。そんな主要通貨にはどのようなものがあるのか知っていますか?
それでは、一緒に見ていきましょう☆
主要通貨の特徴
代表的な通貨の単位としては、引される取引量も取引参加者も多い通貨のことを言います。そんな主要通貨にはどのようなものがあるのか本記事で紹介していきます。アメリカのUSドル、ヨーロッパ諸国で統一されたユーロ、イギリスのポンドなどがあります。中でも、アメリカのUSドル、ユーロ、日本円、イギリスポンド、スイスフラン、オーストラリアドル(※)、に関しては、「主要通貨(メジャー・カレンシー)」と呼ばれ、頻繁に市場で取引されている通貨になっています。
他の通貨も取引されていないわけではないのですが、変動が激しく価値が一定でないため、市場においてリスクが高く、一般的な取引には向いていないとされています。このような通貨は、「非主要通貨(マイナー・カレンシー)」と呼ばれています。2種類の異なる通貨の交換取引のことを「外国為替」と言います。この通貨間取引はForeign Exchangeと呼ばれており、略してForex(フォレックス)、さらに簡略化してFX(エフエックス)と呼ばれています。
※オーストラリアドルとカナダドルは外国為替市場の関係者間で主要通貨に入れることもある。
ここからは、各主要通貨の特徴についてです!
USDドル
通貨記号はUSD(United States Dollar)で、ユーエスドルと呼ばれています。世界の基軸通貨のひとつで、最も有名な通貨単位です。FX市場では米ドルの取引量が圧倒的に多いという特徴があります。BIS(国際決済銀行)が2019年に発表したデータによると、通貨ごとのシェアは44%と半分に近いシェアとなっています。
経済、軍事力が世界最大の米国の通貨である米ドルは信用力があり、基軸通貨として、米国外でも貿易や金融取引など様々な取引に用いられるほか、各国の外貨準備金としての需要も多い通貨であることなどが理由です。
多くの国の通貨がUSドルを軸にして取引レートを表示していることや貿易の決済通貨であるため多くの国で利用でき、相場が変動した際にも情報が入手しやすい点があげられます。
世界中で使われる国際通貨として商取引や為替取引などで使用され、国際的な信用は高いです。GDPが世界第一位であり、アメリカの経済情勢や軍事情勢は為替相場に多大な影響を与えます。政治経済などの情報も入手しやすいので、値動きを予測するトレンドが他の通貨に比べて読みやすく、海外投資を始めるにはお勧めの通貨の1つです。米ドル建ての商品は多数あり、FXだけでなく、米国株式、投資信託、債券、預金など、投資商品も豊富にあるので、分散投資も行いやすい通貨です。
≪USDの基本情報≫
・国名:アメリカ合衆国
・主要貿易国
輸出:カナダ、EU、日本、中国 輸入:EU、カナダ、中国、メキシコ
・外交:国土安全保障、大量破壊兵器不拡散など重視。
・略史:1776年に独立宣言を出し、1783年イギリスが独立を承認。1789年にワシントンが初代大統領に選出、就任。現在バイデン大統領。
・時差:国土が広いため、東部、中西部、山岳部、太平洋、アラスカ、ハワイの6つのタイムゾーンに分かれており、アメリカ本土との時差は-14時間~17時間、アラスカは-18時間、ハワイは-19時間。
・気候:広大な国土を持つため、変化に富んでいる。北部は大陸性の冷帯に、南部は温帯又は亜熱帯に、そしてフロリダ半島の先端は熱帯に属している。中西部は乾燥地帯で砂漠の地域もある。
・人口:3億2709万(2018年)
・言語:主として英語
・主要産業:工業(全般)、農業(小麦、トウモロコシ、大豆、木材など)、金融、不動産業
・GDP(一人当たり):65297ドル(2019年)
ユーロ(EURO)
通貨記号はEUR(EURO)で、ユーロと呼ばれています。
1999年1月1日に誕生したヨーロッパ経済の単一通貨。2002年から流通がスタート。ユーロ導入国、発足当初は11ヵ国であったが2020年には、19ヵ国(オーストリア、ベルギー、キプロス、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、リトアニア、ラトビア)である。
ヨーロッパの諸国間での貿易は、ドルではなくユーロで決済されるのが主流になっている。現在ではユーロ/ドルの取引が最も多く、米ドルに次ぐ第2の基軸通貨となっています。つまり、ドル安になればユーロがあがり、ユーロが下がるとドル高になりますので、通貨の分散投資という側面から考えた場合、米ドルとユーロの両方を保有することでリスク回避となります。
≪EURの基本情報≫
・主要貿易国:アメリカ、スイス 輸入:アメリカ、中国 (ユーロ圏での貿易相手国)
・略史:1993年11月1日、マーストリヒト条約により発足され、ヨーロッパ各国において政治、経済など、さまざまな分野での統合を目指す。本部はベルギーのブリュッセル。
・人口:4億4682万4564人(EU27カ国、2019年、出所:EU統計局)
・主要産業:機械機器および自動車、化学製品、食料品
・GDP:35,774(ドル)(2019年)
ポンド(Pound)
通貨記号はGBP(Great Britain Pound)またはSTG(Sterling Pound)で、ポンドと呼ばれています。「ケーブル」「スターリング」という名称で呼ばれる場合もあるらしいです。英ポンドは第二次世界大戦までは基軸通貨とされていましたが、戦後はその価値が下落の傾向にありました。ポンドは値動きの激しい通貨として知られています。短期投資やハイリスクハイリターンを好む個人投資家の人気が高い通貨です。
≪ポンドの基本情報≫
☆基本情報
・主要貿易国:輸出:アメリカ、ドイツ、フランス、オランダ 輸入:ドイツ、アメリカ、フランス、オランダ
・外交:アメリカとの関係を維持しつつ欧州で主導的立場を果たすこと。
・略史:1707年にスコットランド王国及びイングランド王国合併、グレートブリテン連合王国成立、1801年グレートブリテンおよびアイルランド連合王国成立を経て、1922年にグレートブリテン及び北アイルランド連合王国へ改称。
・国名:グレートブリテン及び北アイルランド連合王国
・日本との時差:―9時間
・人口:6億7,142万人
・主要産業:航空機、電気機器、エレクトロニクス、化学、金属、石油、ガス
・GDP:42330ドル(2019年)
・気候:典型的な海洋性気候を持ち、ヨーロッパ内陸と大きく異なる。北緯60度から50℃の間に位置するが、冬の寒さはそれほどでもなく、気温は東京とほとんど変わらないが北極方面からの冷たい風が吹きつけるため体感温度は非常に低いとされている。
・言語:英語(ウェールズ語、ゲール語など使用地域あり)
・首都:ロンドン
スイスフラン
通貨記号はCHF(Confoederatio Helvetia Franc)で、ラテン語で「スイス連邦フラン」の意味を持っています。スイスフラン(Swiss Franc)なので「SFR」と表示されることもある。
スイスは永世中立国であり、通貨の金利は低いものの、為替レートが安定している為、最も信頼できる「安全通貨」として有事の際に買われる傾向がある。
これはスイスが永世中立国であることに由来しています。もし、他国で戦争が起こっても武装的・政治的中心の立場を明確にしているので、戦争や大きな災害など地政学的リスクが高まると、資産の保全のためにスイスフランが買われるという仕組みです。そのため為替相場は上昇し、発生したリスクが収束に向かうと、資産回収のために下がるという動きがみられます。
≪スイスフラン基本情報≫
・主要貿易国:EU諸国
・外交:中立政策の維持と国際協調、EUとの関係強化、積極的な国際貢献。
・略史:1291年スイス制約同盟にてスイス連邦誕生。1815年永世中立として承認。1848年連邦憲法が制定され(1994年4月に現憲法に改正)連邦内閣樹立。2002年9月、190番目の国連加盟国となる。
・人口:854万人
・GDP:81883ドル(2019年)
・気候:北部は寒帯性気候、南部は地中海性気候、西部は海洋性気候、東部は大陸性気候の影響を受けるが、山岳地帯も多いので、地域や標高によって多様な気候となる。
・言語:ドイツ語(63.7%)、フランス語(19.2%)、イタリア語(7.6%)、レート・ロマンシュ語など
まとめ
今回は主要通貨(メジャーカレンシー)を紹介していきました!USドル、ユーロ、イギリスポンド、詳細を説明していませんが日本円、(オーストラリアドル、スイスフラン)これらが主要通貨といわれるものです。1度は聞いたことがあるような通貨が主要通貨として取引量が多い通貨となります。
市場参加者が多いため必然的に市場規模もこれらの国の市場が大きく、世界三大市場(ロンドン、ニューヨーク、東京)と言われています。世界三大市場でどのような動きになるのかはまた別の記事で...
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